就労移行支援とは、障害者総合支援法に定められた、障害福祉サービスの一つであり、障害を持つ人が、一般求人または障害者求人で働くために支援を行ってくれます
主に行われていることが
就職するまでに向けた支援
就職活動のサポート
定職してからのサポート
となります。最近は、さらにスキルアップに向けた支援、職場見学などサポートの幅が増えているのも特徴です
就労移行支援の利用条件
就労移行支援の利用には、条件を満たす必要があります
障害のある人
定職を考えている人
65歳未満の人
障害のある人とは、障害者と認定されている人(手帳持ち・あるいは病院から認定を受けている人)です。「精神」「発達」「知的」の人が大半ですが、「身体」の人も対象に入っています
手帳が無くても利用自体はできるのですが、可能な限り手帳を取得しておくといいでしょう。通いながら手帳を取得するのも一つです
就労移行支援では、1つのセンターにつき定員が設けられています
職業訓練のような選考はありませんが、定員より多い人数が在籍している場合、空きが出るまで通うことはできません
ただし、体験という形で在籍可能なセンターもあります。詳しくは問い合わせてみましょう
また、利用期間は最長で2年間と決まっています
その間に就職を決めておきたいですね
また、前年度の収益により利用料金が発生する場合があります
前年度収入がおよそ600万円以上ある場合は37,200円、それ以下であれば9,300円の負担が必要ですが、収入がなければ無料で利用できます
不安であれば、事前に市町村に確認しておきましょう
交通費に関しては、特定の金額を超えた場合、その何割かを負担してくれると言った形になります(のちに申告した金額分振り込まれる)。自治体によって異なる場合があるので問い合わせてください
また、原則として就労移行支援に通っている時はアルバイトなどの仕事をすることはできません。センターによりますが、作業に応じて工賃が発生する場合があります
利用方法
まずは、気になったセンターで体験させてもらいましょう
最近はCOVID-19の関係でオンラインなどでしか対応できないところもあるので、電話またはメールで問い合わせてみると良いと思います
面談の後、体験や見学をさせてもらえるので、自分に合うかじっくりとみましょう。できれば複数体験を行って最終的に通うところを決めると良いでしょう
通うところを決めたら、次は市町村の「障害福祉課」へ行って相談しましょう(電話で相談してもOKだと思います)
書類を渡されますので、必要事項を記入し、障害福祉課に提出あるいは郵送で送りましょう。これで「受給者証」を発行してもらえます
就職に向けた支援
では、具体的に何をするかについてです
基本的に、学校や職業訓練で学習することと同じで、ビジネスマナーなどを学び、就職活動を行い、就職して定着することが最終目標となります
学習・実習についてはセンター毎にカリキュラムがあります
中には、就職するために必要な学習を行うところもあり、丁寧に教えてもらえます
例えば、Office (Word・Excelなど)の学習を行い資格を取得する、プログラムの勉強を行い、就職に向けたポートフォリオ(作品)の作成を行うなど
PCを使った作業、事務的な作業を行うところが多いです。センターによって力を入れている学習も異なりますので、体験を行い自分にあったセンターを選択しましょう
メンタルサポート
就労移行支援に通う人は、精神的に不安定な人が多いです
そういう人でも安心して通えるために、メンタルサポート担当の職員が必ず1人は配属することになっています
一人一人ケアをしてくれるので安心して通うことが可能です
定着支援
就職活動とは、就職することがゴールではありません。就職してようやくスタートラインに立てるのです
ここからいかにどれだけ定着できるのか、お互いが働きやすくなるのか・・・
月に一度くらいの頻度で就労移行支援の職員の方が会社との間に入ってもらい、定着に向けたサポートを行ってくれます
約半年の間、会社には直接伝えにくいことを、代わりに連絡してくださいます
お互いが気持ちよく働くために、非常に大切なことです。決してマイナスなことではありません!
どういう事業所が良いのか?
自分と相性が良い職員が多い事業所を選ぶと良いでしょう
合わない事業所に通っても時間の無駄ですし、自分のことをきちんと理解してくれる職員がいるところじゃないと長続きしないと思います
その次に、自分のやりたいことと合致しているかどうかです
支援所ごとにカリキュラムが異なるので、必ずしも自分に合致した事業所とは限りません。少し勉強してみて合わないと思えば遠慮なく断るのも一つです
また、これは人それぞれですがある程度人のいる事業所で、通っている人とコミュニケーションが取れることです
当事者同士じゃないとわからないこともあるので、お互いが切磋琢磨しあえるところがモチベーションを続けるためのポイントになると思います
途中で別の就労移行支援所に移ることも可能なので、場合によっては移ることも選択肢に入れておいてもいいかもしれませんね
就労移行は意味がない?
非常に悩ましいことですが、こう言ったネットの書き込みも散見されます
就労移行に通っても就職ができない・・・
通っている意味がわからなくなってきた・・・
ちなみに、平成27年度で就労移行を利用して就職された人は22.4%と出ております。4人に1人程度の割合ですね
2年という期間で就職に成功した人となります。当然全国平均なので、事業所によって大きく異なります
私自身通ってわかったことですが、まずは受け身の姿勢では何もできないです
仕事と同じで、受け身の気持ちで仕事をしても何も成長できないし、モチベーションは上がりません
工場のように毎日のルーチンワークだけで完結する会社も存在します。しかし、一般的な会社というものは常に利益を出すために新たな提案をする・新たな顧客先を見つける、すなわち変化があるということですね。ルーチンワーク内で解決できないことの方が多いです
仮にプログラマーになったとして、IT系の会社で働いている人は常日頃から情報収集・勉強をしている人が多いです
発達障害の人がいくらプログラマーに適しているからとは言え、ついていけないと切り捨てられることもあります。当たり前の話ですね
通所しはじめの時は、左も右もわからないことが多いので仕方ないの一言で済みますが、就労移行に通って自分も「成長」していかなければなりません。勉強と同じことですね
本当に自分のためになるか、事業所や職員、他のメンバーとの相性が良いか、をしっかりと見極めて、必要なことはきちんと相談していきましょう
就労移行支援に文句を言いながら通うくらいであれば、辞めて別の道を探した方がいいです。発達障害当事者であれば、市町村に発達障害支援センターがありますので、そちらにサポートしてもらうという選択肢もあるので覚えてください
手に職をつけたいのであれば、職業訓練がお勧めです
こちらは様々な種類があり、資格取得までサポートしてくれるところもあります
退職給付金をいただいている場合に限り、通ってる日は日数にカウントされず(受給されつつ受けることができる)、さらに交通費も出ますので財布に優しいです。テキスト代のみ負担というところが多いです
ただし、選考があるため必ずしも行けるとは限らない点、入所日が決まっているのでタイミングによって応募できない場合があるので注意が必要です
代表的な就労移行支援事業所について
全国展開している事業所、あるいは地域密着型の事業所があります
極力家の近くで働きたい人は地域密着型の方がおすすめです。こちらは各市町村にありますので、インターネットで検索する、発達障害支援センターや市町村の障害福祉課に問い合わせるのが良いでしょう
地域密着なので、いろんな会社に職場見学に行くことが可能です。自分のやりたいことを発見できるいい機会になると思います
また、発達障害に特化しているところ、精神に特化しているところなど特色が結構分かれるのもあります
全体的に人が少ないので、支援が手厚いと見るか、寂しいというかは人それぞれですね
特にどういった職種にいきたいかわからない人、逆にある程度やりたいことが固まっている人は、全国展開している事業所を選ぶと良いと思います。ノウハウが凝縮されており、多くの担当の方がいらっしゃいます
こちらは、精神の方も発達の方もいることが多いです
ここからは、全国展開している事業所をいくつか紹介します
全国展開されており、おそらく最も有名な支援所です
大都市を中心に、複数の拠点をおいております
最初は私もここにお世話になりました
こちらも、全国各地に展開されております
また、就業実績もHPに記載されておりますので、参考にみてください
転職サイトのDODAを運営しているパーソルキャリアの関連会社が運営している就労移行支援事業所です
関東と関西に事業所を展開しております
大手転職サイトの関連会社が運営しているだけあり定着率は高いようです
IT系に特化している支援所です
Officeなどのソフトはもちろん、今流行のWeb系の学習も行うことができます
課題をクリアすると工賃を貰えるなどのメリットもあります
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